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方丈縁先に腰を下ろすと視界は低く水平に伸び白砂の面と苔の緑が大きな二項対立をつくります。白砂は光を受けてわずかに煌めき敷砂の筋目は風の流れや庭師の呼吸を思わせるリズムを刻む。苔は光を吸い、濃淡のグラデーションで陰影をつくる。数個の石が角度と高さを微妙に変えて据えられ視線を導く。豪壮な石組ではなく、あくまで静謐な“置き”の感覚が貫かれているため、庭は一瞥で掴める簡潔さを保ちながら、長く眺めるほどに奥が深くなる。抽象画を前にした時と同じで、限られた色と線の中に、見る側の心象が投影される。