目白台の新たな時間の入口。
| 名前 |
桂林寺参道 |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 評価 |
4.0 |
| 住所 |
〒112-0015 東京都文京区目白台3丁目1−15 松尾ビル |
|
ストリートビューの情報は現状と異なる場合があります。
|
周辺のオススメ
桂林寺参道は、目白台の散策で「ここから先は少し時間の流れが違う」と体で分かる、いい入口です。護国寺のにぎわいから少し離れただけなのに、参道へ入ると空気がすっと鎮まる。目白台という地名自体が、台地の縁に広がる高まりを思わせますが、この参道もまさにその地形の静けさを引き受けている感じがありました。派手な観光地の参道ではない。だが、こういう控えめな導入のほうが、寺の時間をきちんと始めてくれる。桂林寺は臨済宗妙心寺派の寺院で、寛永5年(1628)に麻布新町で「五葉庵」として始まり、のちに現在の目白台へ移ったと伝えられています。開基として語られるのが、米沢藩主上杉定勝の長女・徳姫。法名は松嶺隠之尼禅師で、前田利治の没後に禅に深く帰依し、江戸にいくつかの寺を開いた人物です。つまり桂林寺参道は、単なる通路ではなく、近世初頭の大名家女性の信仰実践へ通じる入口でもある。さらに桂林寺には、文京区指定文化財の古文書「五葉庵記録」が残っていて、参道の先にある寺が、景観だけでなく記録の面でも厚い歴史を持つことが分かります。目白台を歩いていると、坂や寺や学校が自然につながって見えてきますが、桂林寺参道はその中でもかなり印象に残る一本でした。大きな石段や朱塗りがなくても、参道として必要な“気持ちの切り替え”がちゃんとある。こういう入口をきれいに保ち、静かに歩けるようにしてくださっていることに、目白台の散歩者として素直に会釈したくなりました。