飛騨の江戸時代にタイムスリップ。
荒川家住宅の特徴
300年弱前の旧家を無料で見学できる魅力があります。
国の重要文化財に指定された歴史深い建物です。
桜が満開のお庭も手入れが行き届いていて楽しめます。
荒川家住宅は、飛騨の山里・高山市丹生川町大谷に静かに佇む古民家だ。この家は、約400年前の16世紀末頃、飛騨地方を治めた金森長近に従ってこの地に移住した荒川家の歴史を今に伝えている。荒川家は江戸時代を通じ、大谷村と周辺の村々を治める名主(なぬし)を務めた名家で、特に元禄時代(17世紀末~18世紀初頭)には大谷・小野・根方・白井・芦谷・板殿の6か村を兼帯する庄屋として地域社会の中心的役割を担っていた。この屋敷もそうした背景を持ち、村の寄り合いや冠婚葬祭などで多くの人々が集まる重要な場として使われてきた。現在残っている主屋(母屋)は寛政8年(1796年)に建てられたものだ。建物は堂々たる木造二階建てで、飛騨地方特有の板葺き屋根を持っている。屋根には雪や風雨に耐えるための重石が載せられていて、この地域の気候への知恵が感じられる。内部には馬屋付きの広い土間(どーじ)、囲炉裏のある居間(おえ)や台所(だいどこ)があり、生活動線が一直線につながる実用的な間取りだ。さらに奥には「なかのま」「出居(でえ)」「奥出居(おくでえ)」と呼ばれる座敷があり、襖を取り払えば一つの大きな空間となる。実際にこの屋敷では百人を超える規模の催しが開催されたこともあるという。主屋内部でも特に印象的なのは、「ウシバリ」と呼ばれる巨大な梁だ。この梁は7メートルを超える長大な一本木で作られており、これがあるおかげで柱を立てずに広い空間を確保することができている。二階部分はかつて養蚕の場として活用され、目の粗い簀子(すのこ)状の床が囲炉裏の煙を効果的に逃がす仕組みとなっているのも特徴だ。主屋の背後にある土蔵は、さらに歴史が古く延享4年(1747年)に建てられたもので、江戸中期から現存する貴重な建築物だ。土蔵の建築時には周辺村落の多くの村人が餅や酒、蕎麦粉や菓子などを贈り、村を挙げて蔵造りを祝った記録が残っている。当時の農村の温かい交流を感じさせる逸話だ。荒川家住宅は、その文化的価値と建築技術の高さから、1971年(昭和46年)に国の重要文化財に指定された。その後、所有が旧丹生川村から高山市に移り、現在は歴史民俗資料館として一般公開されている。館内には荒川家に代々伝わる農具や生活用品、さらには仙台藩主・伊達政宗が金森長近に宛てた直筆の書状まで展示され、歴史ファンでなくとも興味をそそられるだろう。また、荒川家住宅が建つ丹生川町大谷は、飛騨と信州をつなぐ重要な街道沿いに位置し、古くから旅人や物流が行き交った土地でもある。地域の歴史上の要衝であったため、戦国時代には森ケ城という城が築かれていたことも知られている。そのような地理的条件もあって、荒川家は飛騨の地域行政や経済発展に大きな役割を果たしてきた。周辺には、世界遺産として知られる白川郷・五箇山の合掌造り集落や高山市街地の商家住宅群といった他の歴史的建築物が存在するが、荒川家住宅は庄屋の屋敷として、また板葺き屋根や巨大梁といった飛騨地方独自の建築様式を見事に体現している。飛騨地方の多彩な民家文化の一つの象徴とも言える存在だ。荒川家住宅を訪れると、飛騨の山里で繰り広げられた江戸時代の生活が生き生きとよみがえってくる。特に、黒光りした柱や梁、囲炉裏端の温もりには、時を超えた生活の息遣いが感じられるはずだ。この屋敷はただ展示される文化財というより、今なお地域の交流拠点や歴史学習の場として活用され続ける「生きた文化財」なのだ。飛騨地方の暮らしと歴史に思いを馳せたい人にとって、荒川家住宅は必ず訪れるべき場所だと思う。
今年も桜が咲いた。一年いちねんがこんなにも速く訪れるなんてカチッカチッ・・・時の歯車が聞こえそうだ。
歴史ある古民家ですが、文化財に指定される40年ほど前までは実際に民家として居住されていたそうです。増設された台所や昭和の家具、木製の網戸等の当時のリアルな生活も良好に保存されています。
現在入場無料やってます。運が良ければ高山駅から往復するレトロなバスが見ることができます。
荒川家住宅は天正年間から続くという旧家。主屋と土蔵は江戸中期に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。拝観料も無料であり、国道158号沿いにある為アクセスも良好。昔の日本家屋などが好きな人には是非おすすめ。
歴史ある家屋を無料で見学できる。
200年以上経過した素晴らしい建築。くれ板葺きの屋根材が交換時期に来ており早々の改修が望まれます。当時の民具も展示されていますが、機織り機の体験や釜戸での炊飯体験などができたら生きた施設になるのにな~。入場無料。高山市の努力に期待します!
見学者が居ない時は照明が消えております。受付の方も常時いらっしゃらないようですので庭を探してみてください。
300年弱前の旧家のお宅。無料で見学できます。とてつもない広さで、当時の家格の現れでしょうね。
| 名前 |
荒川家住宅 |
|---|---|
| ジャンル |
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| 電話番号 |
0577-78-1558 |
| 営業時間 |
[土日月火木金] 9:00~16:00 |
| HP |
http://www.city.takayama.lg.jp/kurashi/1000021/1000119/1001041.html |
| 評価 |
4.1 |
| 住所 |
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ストリートビューの情報は現状と異なる場合があります。
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素晴らしかったです。建物は外から見るよりとても広く、2階にあたるスペースがこんなに広いのは初めて見ました。受付の方に質問したら丁寧に答えてくださり、感謝です。無料なので、気になる方はぜひ覗いてみてください。