樹齢400年の松月寺の大桜。
松月寺のサクラの特徴
国指定の天然記念物オオザクラが見事な存在感を放っています。
昭和42年廃止の市電が、この大桜の前で止まっていました。
歩道まで乗り出した大桜の豪勢な幹が迫力を感じさせます。
日本花の会に拠ると、この松月寺サクラは「野田の大桜」と言う品種で、もとは小松城にありましたが金沢藩第3代藩主・前田利常が同寺に与えたものといわれています。ヤマザクラとオオシマザクラの雑種と推定され、現在この品種の原木とされています。巨大な古木というだけでなく、あまり聞いた事の無い珍しいサクラの貴重な原木だったのですね。
【スポログreview#367】秋は色付かないですが、これが桜に変われば美しいんだろうな〜と想像できるような感じです。サイズ感だけでも楽しめますね。
国の天然記念物オオザクラ。中原中也も見た桜。
歩道まで塀から乗り出す豪勢な幹。2本あって、道路側の方は昨日行ったら残念ながらだいぶ散っていました。もう1本はみごとな満開。
昭和42年2月11日に廃止された市電はこの大桜の前で止まった。野町広小路と寺町3丁目の間が「大桜」停留場であった。樹齢約400年、樹高15メートル、枝張りは東西に20メートル。小松城から譲り受けたとされる。
昭和42年2月11日に廃止された市電はこの大桜の前で止まった。野町広小路と寺町3丁目の間が「大桜」停留場であった。樹齢約400年以上、樹高15m、枝張りは東西に20m。小松城から譲り受けたとされる。現在、2代目が育てられています。
一応、天然記念物。
詩人 中原中也は幼少のころ、金沢で過ごしました。「金沢の思ひ出」に「住んでゐたのは野田寺町の照月寺(字は違つてゐるかも知れない)の真前、」とあります。中原中也も幼い頃に大櫻を眺めていたのでしょう。桜ならぬ雪の大櫻の写真です。
国指定天然記念物。
| 名前 |
松月寺のサクラ |
|---|---|
| ジャンル |
|
| 電話番号 |
076-220-2469 |
| 営業時間 |
[月火水木金土日] 24時間営業 |
| 評価 |
4.3 |
| 住所 |
|
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松月寺(しょうげつじ)のサクラは、石川県金沢市の寺町に静かに立つ、樹齢およそ400年の老桜だ。幹周りは7.6メートル、樹高は約15メートルにも及び、主幹はすでに枯れているものの、根元から新しい幹が数十本も立ち上がり、枝を広げて命をつないでいる。こうした生命力の強さが評価され、昭和18年(1943年)8月24日には国の天然記念物に指定されている。松月寺のサクラの起源は、江戸時代初期までさかのぼる。寺はもともと文禄2年(1593年)に創建されたが、元和元年(1615年)、加賀藩三代藩主・前田利常によって金沢城下の防備や寺社統制を目的に、現在の寺町へ移された。この寺町には利常によって多くの寺院が集中して整備され、独特の歴史的な町並みが形成された。松月寺の移転後、慶安元年(1648年)に2世住職の至岸和尚が、隠居した利常公から小松城にあった桜を譲り受け、境内に移植したという由緒ある話が寺に伝わっている。利常公自身が愛でていた城内の桜であったため、この桜は古くから「御殿桜」や「大桜」とも呼ばれ、寺の名をとって「松月寺ザクラ(しょうげつじざくら)」という名で人々に親しまれてきた。松月寺のサクラはヤマザクラの系統で、春になると直径約4~5センチの大ぶりな白花を咲かせる。満開になるのは毎年4月中旬頃で、この時期には寺の土塀を越えて道路の上にまで枝を張り出し、見事な花を咲かせる。その美しさは江戸時代からすでに評判で、加賀藩の藩主の行列でさえ、この桜の下を通る際には槍を伏せて敬意を表したという話が伝わるほどだ。また、この桜は多くの文学者や文化人にも愛されてきた。江戸中期には著名な儒学者・室鳩巣(むろきゅうそう)が松月寺を訪れ、この桜を題材に「遊松月寺看桜花」という漢詩を残している。鳩巣の詩には、満開の白桜が古寺の境内を彩る様子が美しく描写されており、当時から人々がこの桜を楽しんでいたことが分かる。近代になると、金沢が生んだ文豪・泉鏡花も、この桜から着想を得たとされる。大正4年(1915年)に発表した『桜心中』という小説には「江月寺の桜」として老桜が登場するが、この桜が松月寺のサクラをモデルにしているとも言われている。歴史的価値のあるこの桜は、地域の人々の手で守られ続けてきた。大正時代、金沢市内に路面電車を敷設する工事が計画された際、この桜を伐採せずに保存するため、道路拡幅を桜のない犀川側に偏らせたという逸話も残っている。これほど地域に愛され大切にされてきたことは、単に古いだけでなく、この桜が金沢の歴史や文化にとって重要なシンボルであることを示している。寺町地区自体も特別な文化的景観で、前田利常の時代に寺社を城下の一画にまとめて配置したことから、現在も約70もの寺院が集まる北陸でも随一の寺町として知られている。妙立寺(忍者寺)や藩主ゆかりの寺社も多く立ち並び、そのなかで松月寺は歴史ある桜とともに重要な位置を占めている。また、同じ地区内の妙法寺には、市指定天然記念物となっている巨大なドウダンツツジの古木があり、松月寺のサクラと並んで地域の景観に貢献している。寺町という空間そのものが、歴史と自然の調和する貴重なエリアなのだ。現在、主幹は枯れているものの、生命力旺盛な若い幹が次々と成長して命をつなぎ続けていることから、松月寺のサクラはその希少性や歴史的価値に加え、植物学的にも貴重な例となっている。2003年(平成15年)には、地元の人々や行政が協力し、この老木の実生から育った若木を境内に後継樹として植樹した。今では老桜と若木が共存する光景を見ることができ、まさに生命の循環を象徴しているかのようだ。400年もの間、人々に見守られながら時代を超えて生き抜いてきた松月寺のサクラ。その歴史や伝承、周囲との関係性からも、単なる古木を超えた、金沢という街が持つ文化と歴史を体現した存在として価値がある。これからも地域の人々に大切にされながら、その物語を静かに語り続けていくだろう。