幸田文ゆかりの「ハンカチの木」 / / .
「ハンカチの木」は19世紀中頃中国に滞在したフランス人宣教師アルマン・ダビットによって、四川省の西境で発見され、発見者にちなんでダヴィディアと命名された。
白い花びらのように見える部分は、大小たれさがった苞であり、これがあたかもハンカチを広げたように見えることから和名「ハンカチノキ」と名づけられた。
なお、別名「ハトノキ」とも呼ばれる。
一科一属一種といわれている珍しい木で、落葉高木、花は雌雄同様の丸い花序で、白い苞片(ほうへん)に守られているように見える。
4~5月に花をつけ、5月初旬が見頃である。
作家の幸田文(1904~1990)が小石川植物園の山中寅文(東京大学農学部技術専門員)から譲りうけたこの「ハンカチの木」は、長女で随筆家の青木玉の家の庭に仮植えされていたものである。
2002(平成14)年12月、多くの方々に見ていただきたいという青木玉の好意により、ここ磔川公園に移植された。
2004(平成16)年は幸田文生誕100年にあたる。
***********************************************縁のある木縁のあるなしは人ばかりではない。
樹木にもそれがあり、時に思いもかけぬ縁が生じることがある。
この樹はたまたま私の家の庭に根を下してから開花を迎えるまで、実に二十年近い年月を過した。
「ハンカチの木というのだから、きっと白い花が咲くのだろう」と、木を贈られた母は初花を楽しみにしたが、平成二年他界し、ついに花を見ることはなく、私は花を待つことを忘れた。
それから七年、まぶしいほど明るい五月の空の下で新緑が萌え、枝先に大小二枚の真白な苞が風に揺れていた。
中心に小さな蕾の集合体を両手で大切に囲っているように見える。
木の咲く花のかたちとしては、他に類がなく、自然はたった二枚の白く美しい不思議な姿の花をハンカチの木に与えたかと胸が熱くなる想いで見守った。
母が見たならどんなに喜んだか。
多分それは私の目を通して、伝わったであろうと信じている。
母から私に引き継がれたこの木が、新しい場所で、更に多くの方々との御縁を結ぶよう心から願って止まない。
平成十六年一月 青木玉と書かれていました。
名前 |
幸田文ゆかりの「ハンカチの木」 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.2 |
あんまり印象に残らない場所しかも、夜はたまにカップルがここらへんでイチャコラしてる。