愛犬に小石丸が居た。
犬上神社元社(犬胴松) / / / .
大瀧神社の境内から大蛇ヶ淵の向こうに見える。
小さな祠ながら、大瀧神社の謂われを知る上で重要。
犬上郡を稲依別王命(いなよりわけのみこと)という人が治めており、愛犬に小石丸が居た。
賢く狩りが上手な犬として、近隣に名が知れていた名犬である。
稲依別王命が小石丸を連れて山奥に出かけた時お百姓さんから、大蛇に村人が度々 淵で襲われる、 と聞いた。
稲依別王命は七日七晩も、大蛇退治にその薄気味悪く水が荒れ狂ったよう に流れる淵を見つめていた。
ついに疲労でウトウトした時、小石丸が狂ったように鳴き始めた。
しかしその 方向を見ても 何も居ない。
それでも鳴く小石丸に腹を立てた稲依別王命は、一刀のもとに小石丸の 首を切ってしまった。
切られた首は宙を舞い、稲依別王命の居た木の上に居た狒々の頭を持った大蛇に噛みついて落ちてきた。
さすがに自分の短気を恥じた稲依別王命は、小石丸の首塚を建てて供養をした。
名前 |
犬上神社元社(犬胴松) |
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ジャンル |
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住所 |
|
評価 |
4.8 |
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犬好きに朗報!!犬の祈禱(きとう)が復活古代から犬にまつわる言い伝えがあるここ、大滝神社では、戦後から途絶えていた犬の祈禱(きとう)が復活しという記事をみつけました。
愛犬の健康や長寿を願い、さっそく多くの飼い主さんと犬たちがお祓(はら)いを受け写真が掲載されていました。
この神社は、神職さんを見かけたことがなく、いつでもお祓いを受けられるわけではなさそうです。
事前に電話してからお出かけください。
■■この神社にのこる、『小石丸』物語■■昔、日本武尊の第一皇子で、狩を好んだ稲依別王(いなよりわけのみこ)がこの地を訪れた時のこと。
土地の者が、この近くの川の淵に棲む大蛇が災厄をもたらすので退治して欲しいと願い出た。
それを聞き届けた王は、愛犬の小石丸を連れて周辺をくまなく探し求めた。
しかし七日七晩山谷を歩き回っても大蛇は見つからない。
とうとう疲れ果てた王は、大木の木陰で昼寝を始めてしまった。
すると、普段は大人しい猟犬であるはずの小石丸が狂ったように吠えだした。
仮眠を取ろうとした王はつい怒りに任せて、腰の刀を抜きざまに小石丸の首を刎ねたのである。
首は遠く宙を舞ったかと思うと、岩陰に飛び込んでいった。
そして次の瞬間、首と同時に落ちてきたのは、探し求めていた大蛇であった。
小石丸の首に喉を食らいつかれた大蛇はのたうち回ったが、やがて動かなくなってしまった。
この光景を見た王は、小石丸が危難を知らせるために吠え続け、首を刎ねられてもなお主人を助けるために忠義を尽くしたことを悟った。
愛犬の行動に感銘した王は、小石丸のために祠を建て、胴を埋めた場所には松を植えて後世に伝えたという。
これが犬胴松の由来である。
さらに王は、この地を犬咬(=犬上)と名付けて定住し、その後その子孫が犬上氏を名乗るようになったとされる。
大瀧神社の境内には稲依別王を祀る犬上神社があり、この神社から犬上川を見下ろす淵一帯が大蛇が棲んでいた場所として、今でも“大ヶ淵”と称される。
また小石丸の首を祀る小祠が、犬上川を挟んだ対岸にあると言われている。