壁掛け時計の針が動くときに音がするのが味がある(笑...
コーヒー豆ごとスパイスと砂糖を煮出したアラビックコーヒーを是非どうぞ。
オリエント美術館に来るたび気にはなっていたのだけれど、なんか入りづらくて、店の前を中の様子を窺いながら通り過ぎるだけでした。
でもなぜか今回はスッと入って普通に注文してくつろがせてもらいました。
お店の前におすすめで掲示してあるコーヒーとチーズケーキのセットをいただくことにして、さてコーヒーは普通のコーヒーとアラビックコーヒーどちらかを選べる、と。
せっかくだからアラビックコーヒーをお願いしてみました。
外は7月の猛暑。
ダラダラ汗をかいて、あ、アイスコーヒーとかにしとけばよかったかなーとか、建物の中なのに当たり前のように蝉の鳴き声って聞こえてくるもんだなーとか取り留めのないことを考えてるうちに注文したコーヒーセットがやって来ました。
アラビックコーヒーというのはコーヒーの粉と、砂糖、香辛料をイブリクという、何というか小さなミルクパンみたいな鍋の中に全部入れて煮出すコーヒーなんだそうで、濾さないでそのまま注がれたコーヒーを粉が沈澱するのをジッと待って上澄みをすするもんなんだとのこと。
─どこまで飲むかは貴方しだいだけれど底の方まで飲もうとすれば粉まで口に入りますよ。
だいたいそんな説明を受けてからアラビックコーヒーに挑戦したけれど、これは、完敗しました。
夏。
7月。
猛暑。
喉は渇いている。
目の前のコーヒーはいい頃合いに粉も鎮まって飲みごろに見える。
!!!熱いッ!!!当たり前ですね。
鍋で煮出したコーヒーですもの。
カップまでアッツアツ唇をやけどしました。
次は慎重に、そーっと口をつけて味わってみます。
ウー・・あー・・・なんというか、不思議な味?でもなんかどこかで・・・・あ、あれだ、ハーブキャンディーの風味だわ。
昔婆ちゃんの家で舐めさしてもらった黄色い缶に入ったあの味。
あの頃は婆ちゃんも元気でよく一緒に街歩きに連れて行ってくれたなー。
シンフォニーホールなんか影も形もなかった頃、表町の商店街をブラブラ歩いて日限のお地蔵さんにお参りに行ったっけ。
千日前の映画館、あそこの前の福福饅頭を買ってもらったっけ。
あの頃は今と違って商店街の人の行き来がすごくて、はぐれないように手をつないで緊張しながら歩いたっけなー。
・・・・・・しばしボーッと走馬灯を見た、そんなひとときを過ごさせていただきました。
味は好きずきあるので実際に試してください。
でもあっちの人はこれを美味しいと感じるわけで、人間ってスゲーな、環境や文化って、訳わかんねーなとしみじみ思える貴重な体験ができますよ。
多分。
オリエント美術館の2階にある喫茶室ですが、こちらではアラビックコーヒー(ターキッシュコーヒー)をウエッジウッドの器で味わう事が出来ます。
カウンターのガラスケースにはアンティークの器もいくつか展示されており、それらが目を楽しませてくれたりもします。
なお、美術館内にありますが正面玄関を入ってすぐの入館券売り場のカウンターの前を右に進んで階段を上がると美術館の入館料金不要で入店する事も可能です。
名前 |
イブリク |
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ジャンル |
/ |
電話番号 |
086-222-9887 |
住所 |
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営業時間 |
[火水木金土日] 9:00~17:00 [月] 定休日 |
評価 |
4.7 |
壁掛け時計の針が動くときに音がするのが味がある(笑)自家製チーズケーキは凄く美味しいのでオススメです。
アラビックコーヒーは初めてでしたが、穏やかな甘みと苦み、それに香辛料の柔らかい香りが見事に調和してて、小さなカップだったのにじっくりと楽しめました。
奥にいる店員さんは愛想のない感じですが、しっかりアラビックコーヒーの説明をしてくれます。
落ち着いた感じの良いお店なので、また来ようと思ってますが、10月から美術館が改装でけっこう長く閉館するみたいなので、しばらくはここのアラビックコーヒーとチーズケーキはお預けですね。