名前 |
平田氏庭園 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.0 |
平田家住宅は、近代における小郡の経済発展の一端を担った木蝋業により財をなした豪商の邸宅です。
当時、小郡町では「伊吉櫨」という品種を生み出し、九州一円に苗木出荷を行う等、活気にあふれていました。
平田家住宅の特徴は、別々に建てられた主屋と座敷を廊下で繋げる構造にあります。
幕末から明治初期にかけて北側から座敷、主屋が建ち、移築した表門に敷地を取り囲むように塀が築かれ、明治末から大正期に裏門として使用された東門、敷地内北東隅に離れの数寄屋、大正から昭和初期に主屋から南側へと延びる廊下の先に新座敷や太鼓橋で繋がる客殿が建ちました。
この他にも、小郡のまちなみの変化や各建物の創建年代が推定できる写真資料、豪商と呼ばれる所以でもある大量の明治期の地券等の文書資料も豊富に残っており、小郡市の文化、経済、産業を理解する歴史資料として価値が高いものです。
平田家住宅の主屋、座敷、客殿の建物に面して、昭和初期に整備された庭園があります。
これは池泉観賞式庭園と呼ばれ、流れや園池、そして分割して運搬した巨岩を接合した高さ4メートル、幅8メートルの滝石組が注目されます。
建物の配置を含めた空間構成が良く保存されており、九州の造園文化の発展を示しています。
(2018/12/12)