四谷三丁目駅のすぐ近く。
丸正のスーパーの入り口にここだけ岩組があり、古ぼけたプレートを読んでいたらちょうどご老人がやってきて観音像に水をかける。
思わず、ご利益がありますか?と尋ねると、とてもね、と俺にも水を柄杓でかけるように勧めるので一回かけた。
弔う気持ちでね、とまたお声をかけていただき、なるほどな、ご利益を期待するのも良いが本質はさぞかし大変だったでしょうという哀れみの気持ちといたわりの言葉掛けなんだ。
最近耳にするempathyなのだろう。
お岩さんにしたって、いくら憎い相手を呪っても、腹はすっきりしてもそれだけじゃ死に損だ。
私が生きていたらね、って気持ちを聞いてあげるのも大事だし、逆にお岩さん実はね会社でこんな嫌な事あってね、あなた程じゃないけど裏切られてさ〜って胸の内を明かすのもアリかも。
そういう時代を超えて存在するお岩さんをどうやらスーパーの社長が昭和49年にこの地に建立したようだ。
きっと悪いことはしない立派な人なんだろう。
少し古びたスーパーのファサードが風雪を耐え、お岩さんと共に今日も愛されている四谷三丁目の一角で是非足を止めて水を手向けてください。
名前 |
お岩水かけ観音 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.3 |
四谷三丁目駅のすぐ近く。
丸正食品株式会社奉納、於岩稲荷開運寺、と記してあります。