名前 |
向野田古墳 |
---|---|
ジャンル |
|
住所 |
|
評価 |
4.8 |
熊本県宇土市南西部にある。
行ってみるとお判りになると思うがなんの変哲も無く、主体部があった箇所は完全に削られてしまっている。
この古墳は4世紀末から5世紀初めに築造されている全長95mの前方後円墳で、現況は前方部が削られている。
当該古墳は長さ4mの舟形石棺(大きな一つの石から削り出していて、枕をも設けている)を埋納した竪穴式石室を持ち、この石棺は日本第2位の長さを誇るとともに壮年で華奢な女性一人が埋葬されていた。
女性人骨が検出された最大規模の古墳なのである。
頭部の左右には勾玉、管玉、耳管が見え、腰の横には車輪石も置かれている。
このことは埋葬者が女性を表すことが判っているが、人骨は女性を表していた。
更に、妊娠痕(出産したかどうかは別)が見受けられたという。
この時代の女性は男性に劣らず、いやそれ以上に活躍していたということである。
大分県宇佐風土記の丘にある免ヶ平古墳、大分市の東部にある築山古墳も(両古墳ともとも前方後円墳)被葬者は女性である。
他にもあるけれどね。
この記事は写真にも挙げているが、「埋葬からみた古墳時代」(清家 章著)を参考にしていることを言っておかねばな。
面白い古墳なんだ。