いずれの場合も、発音は「たこ」。
袋川左岸沿いに広がる田園地帯、法花寺、庁、町屋の集落を通り過ぎ広西(ひろせ)に到着。
一際鬱蒼と古木が林立する一画が目に入ります。
神社は広西を含む四集落の氏神で、鳥居横に石柱(式内 多居乃上神社)が建っています。
高く太い真っ直ぐな杉、銀杏等の古木が境内を覆い守り、神社の霊験を新たに深めます。
拝殿、本殿の端正な凛とした美しい姿は言わずもがなです。
境内は秋の虫が鳴いています。
枯れ葉が地面に所々落下していますが普段からの整美の賜物で、落ち葉が降り積もっている様子はありません。
神社の廻りには随分とどっしりと大きな御神塔が建ち並んで、人々の神社への篤い崇敬が溢れ出ています。
それでいて片隅には遊具があり子供たちの善き遊び場です。
なぜかしら郷愁を感じる神社です。
「多居乃上」の社名は、「多胡」「田胡」とも書かれる場合があるが、いずれの場合も、発音は「たこ」。
この「多胡」の社名から、古代帰化人集団の祀る神社であるとする説があるようだが、群馬県にある「多胡碑」との関連だろうか。
「乃上」というのは、一説には、昔、川側にあったものを一段高い地に遷したため、本来の「多胡」の「上」となったという。
元の鎮座地は、現在地の東150m上流らしいが、何も残っていない。
仮に、この説が正しくて、遷座が事実であったとしても、それは1000年以上昔(延喜式以前)のことなのだ。
祭神は、大穴牟遲命と須勢理毘賣命。
その他の合祀の神々は、大正六年の神社合祀によるもの。
社殿には、出雲系の亀甲紋が付いていたので、たぶん、これが神紋だろう。
名前 |
多居乃上神社 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
5.0 |
多居乃上神社(たこのうえじんじゃ)延喜式内社法美郡の大神社とも比定されているが確定ではない。
かなり広い敷地で開けたイメージで昭和三十八年に京都で新調された麒麟獅子舞の獅子頭がある。
広西・法花寺・庁・町屋四ヶ村の氏神元の鎮座地は東150米上流らしいがわかるはずもなく(1000年以上前)渡来系の最先端の集団がいたとも。
本殿、幣殿、拝殿、神楽殿、祭器庫氏子戸数 六十戸(鳥取県神社誌)