不思議な給水塔が印象的。
多摩川住宅給水塔(イ号棟)の特徴
一昔前のSF映画に登場するような独特な形状の給水塔です。
多摩川住宅は調布市と狛江市に跨る超マンモス団地です。
陸の孤島に位置し、最寄り駅が特定し難いユニークな場所です。
多摩川住宅は調布市と狛江市に二分された最寄り駅が特定し難い陸の孤島の超マンモス団地。
隣にも染地都営団地群。
団地以外は新興矮小住宅群に幼稚園等の学校。
現在は氾濫の恐れが少ない多摩川河川敷一帯。
形態は分譲と賃貸。
分譲は50㎡で一千万円半ばの超低価格で購入可能。
但し建物は古いもので50年を迎える。
民度は土地柄に乗じてそれなり感。
数年前にスーパーであったクィーンズ伊勢丹は撤退。
現在はいなげや撤退後のコープみらいのみ。
以下引用狛江市の西端、調布市と境を接するところに「千町耕地」と呼ばれる一面の田園地帯があった。
その耕地にはたくさんの清水が流れ「しじみ川」と呼ばれる美味な黄色いシジミが採れる川があったり根川ではコイやフナはもちろんトゲブナやタナゴもたくさん採れた。
川沿いにはハス田が広がりそのほかにクレソンやワサビの栽培が盛んであった。
昭和10年頃までは老舗の三越がそれらを買い付けに来たそうである。
ところがこの田園地帯に昭和30年代半ば東京への人口集中に伴う深刻な住宅難に対処するための大規模な集合住宅の建設が求められこの地に「多摩川住宅」建設用地として白羽の矢が立った。
一頃この地一帯にトラックターミナルを建設するという話もあった。
当時、東京都住宅公社による住宅建設は23区内でもっぱら進められていたが建設適地の減少と地価の高騰のため35年を境にして都心から離れた三多摩地区に建設地を選定せざるを得ないという事情があったようで37年頃から用地取得が開始され翌年には宅地造成の作業に移るというかなり早いテンポで作業が進められた。
その頃、狛江市内の農家では自分の働き場所であった田を売りそれで得たお金で萱葺きの家から現代風の家へと建替えラッシュが続いたという。
造成当時のことである。
団地内に鉄道が通るという話が突然持ち上がった。
喜多見駅から稲城本町を通り南多摩丘陵の総合開発計画地(いわゆる多摩ニュータウン)へ向けて小田急線を通そうというものであった。
現在、中和泉派出所がある交差点付近に新しい駅をまた、線路の東西を横切る道路の幅員を倍以上に広げる計画も出されたが新線はついに実現されなかった。
昭和39年度に建築工事に着手し3期にわたる工期を経て最終的には43年度に完成した。
この多摩川住宅は敷地33万4,000平方メートル賃貸住宅1,826戸、分譲住宅2,048戸計3,874戸の規模を誇る団地で12階建ての高層建築をはじめ大型店舗の導入野球場、テニスコート、公園のほか小・中学校3校を含む公社初のマンモス団地であった。
団地内の第四小学校はこの時期に建設されたものであるが当時はまだ集合住宅の建設に伴う公社の負担や国などの補助は、現在ほど確立されておらず関係者は大変な苦労をした。
結局、四小用地14,163平方メートルのうち7,679平方メートルは同地域内にあった和泉地区の所有地を市に寄付していただきこれと交換し畦畔を除く5,505平方メートルの用地取得費5,426万円は公社に対する10年間の年賦償還、建築費5,410万円は補助金・借入金でまかなった。
完成後、この画期的な団地はその規模、斬新さを誇り、モデル団地として多くの見学者を迎えた。
44年5月22日、皇太子殿下が視察に訪れた。
団地の中心にある集会場でこの団地についての概要の説明をお受けになりそのままエレベーターで団地の屋上に上られた後にお車に乗られ浄水場を見学される予定であった。
ところが当時の伊勢丹の社長が殿下とテニスのお仲間であったとのことで急遽予定を変更され隣の伊勢丹ストアーの見学に向かわれてしまったとか。
お車までの道中をひと目見ようと沿道をうめた人々や説明にあたった公社職員警備にあたった警察官までがこの予期せぬ行動にみんな翻弄させられてしまったとのことである。
名前 |
多摩川住宅給水塔(イ号棟) |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.7 |
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一昔前のSF映画に出てきそうな、なんとも不思議な形をした給水塔。
恐らく砂時計をあしらったモダンなデザイン。
団地が造成された当初からあったはずですが、現在は恐らく実用には供されておらず、建築史的な価値から保存されているのではないかと思います。
この給水塔に思いを馳せると、はるか昔の思い出がよみがえってきます。
多摩川住宅も随分と年月が経ち、耐震性の問題から最も大きな棟は解体されてしまいました。
近くにあった狛江第四小学校も廃校になって久しく、かつてに比べると寂しい感じになってきています。
それでも、昭和の温かい空気感が未だに残る、懐かしさあふれる場所です。
ところどころに立つあの巨大な給水塔は、そのシンボルでもあります。
春は団地内のあちこちに桜が花開き、秋は近くの多摩川河川敷で美しい夕日が見られます。
私にとっては心の拠り所です。