一葉記念館前の公園にある碑。
樋口一葉女史たけくらべ記念碑 / / / .
一葉記念館の前にある小さな公園、いくつかの石碑が立ち並ぶ。菊池寛が建てた石碑は、既に喪われたと記してある。たけくらべ冒頭文『廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火うつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來にはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前と名は佛くさけれど、さりとは陽氣の町と住みたる人の申き…』と樋口一葉は瀧泉寺町で雑貨屋経営の傍ら、名作『たけくらべ』を書き上げたといいます。この作品には千束にあった吉原遊廓周辺に暮らす人々の暮らしぶりが、活き活きと描かれていました。文学界の大御所、森鴎外や幸田露伴にも絶賛されるなか、当時は不治の病と言われた肺結核にて、“わずか二十四歳”で亡くなりました。作家になったきっかけは、樋口家が抱える借金返済に小説の原稿料を充てることが目的だったみたいですが…。そして勝手な想像なのですが、「わたしは武家の娘なのですから!」そんなプライドをバネに、無理を重ねて傑作を次つぎモノに出来たのだと想いました。明治初期にはまだあった、没落士族の矜恃てやつなのかな?実に惜しまれる早過ぎた死。それで彼女が小説家として活躍出来たのは、“ほんのわずかな期間”だったので「樋口一葉、奇蹟の14か月」といまに伝えられているのです。
名前 |
樋口一葉女史たけくらべ記念碑 |
---|---|
ジャンル |
/ |
住所 |
|
評価 |
3.2 |
一葉記念館前の公園にある碑。