名前 |
オシャモジの森 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
5.0 |
オシャモジの森は「藤守八箇森」の一つである。
現存しないが、かつて森があったと考えられる場所に案内板が設置されている。
藤守は千年以上の歴史を持つという重要無形民俗文化財「藤守の田遊び」で知られる。
その田遊びの御供用の杓子を白鳩が啄み、この森に入ったことで、「オシャモジの森」と呼ばれるようになったと伝わる。
また、この森には「袖切松」という大松があったともいい、明治の初めまで、ここで躓き倒れれば必ず袖が切れると伝わっていた。
(東京女子大学民俗調査団「藤守の民俗」、大井川町婦人団体連絡会「ふるさとの年中行事」、藤守の田遊び保存会「藤守の田遊び」、藤守の田遊び千年記念事業実行委員会「藤守の田遊び伝承」、「静濱村誌」)オシャモジの森の「白鳩が杓子を咥えてきた」という伝承は、元からあったシャグジに後付けられた伝承と思うが興味深い。
また、注目すべきはオシャモジの森に「袖もぎ信仰」が伝わることである。
浜当目の「青木の森」にシャグジが祀られ、袖もぎ信仰も伝わっていたことと同様の組み合わせである。
八箇森には典型的な椀貸伝説である椀貸の森もあり、シャグジ、袖もぎ信仰、椀貸伝説と、さながら民間信仰・民間伝承の盛り合わせといった様相を呈している。