ふらっと入り、ゆっくり見学しています。
小ぢんまりとした資料館です。
広さも、ハデさもありませんが、丁寧な展示が好印象です。
無料で利用できるので、時間を掛けて深掘りすれば、教科書に無い先人の偉業が偲べるはずです。
八街では、弥生時代の遺跡が見つかっていないとの事。
鎌ヶ谷も資料館でも同様でしたが、千葉県の内陸部(水利の不便な土地)は、稲作に不向きで、集落の形成は古墳時代に飛ぶようです。
難読地名で「やちまたし」と読みます。
県内では「うわぁ! やっちまった市ぃ〜。
」などとネタにされイジられてしまう地名なのですが、館内の説明によると「四方に通ずる大通り」「道に面した人家の群れ」の意で、これから賑々しく栄えていくよう願いを込めた立派な命名とのこと。
今まで大変失礼いたしました(笑)。
地名としての「八街」は非常に新しく、維新により職を失った武士への雇用対策として始めた開墾事業で、その開発順に付けられた地名が元になっています。
1〜13番までの開発ナンバーにちなんだ命名となっているのですが、コレが洒落が効いていて結構面白いので、少し長いですが全部挙げたいと思います。
初富(はつとみ)、二和(ふたわ)、三咲(みさき)、豊四季(とよしき)、五香(ごこう)、六美(むつみ)、七栄(ななえ)、八街(やちまた)、九美上(くみあげ)、十倉(とくら)、十余一(とよいち)、十余二(とよふた)、十余三(とよみ)となっています。
10番以降は面倒くさくなっちゃたんですかね(笑)。
豊かさと発展への願いがよく分かる命名で、開拓者の努力と地名の恩恵なのか今は大都会となっている場所も多いです。
現在の「みどり台」とか「青葉区」のような無味乾燥な地名より、はるかに良いんじゃないでしょうか。
それから八街の歴史とは直接関係は無いのですが、資料館が寄贈を受けたというカメラの「米沢コレクション」が素晴らしい。
戦前から戦後にかけての名機が勢揃いです。
特に戦前の超高級カメラの双璧である、ドイツの「ライカ」と「コンタックス」が凄い。
おお!コレは歴代ライカでも最も美しいとされるIIIfモデルじゃないですか。
また一眼式レンジファインダーを持ち、機構的には当時のライカよりも進んでいたコンタックスIIIもありますね。
こんなに保存状態が良いのも珍しい。
優美な曲線で構成されたライカに対し、機能優先の角ばったボディを持つコンタックスとのデザインの違いを是非お楽しみ下さい。
ちなみにこれらのカメラは1台で家一軒が建つと言われるほど、恐ろしく高価なものでした。
したがって、このようなカメラを持てるのはプロのカメラマンか大金持ちに限られます。
寄贈した米沢氏は千葉日報にお勤めだったとのことで、なるほどという感じです。
そういえばアニメ「ちびまる子ちゃん」に登場する大金持ちの花輪クンもライカを持ってましたね(笑)。
今のところ資料館は仮復旧で本来の展示量の3分の1に過ぎないそうで、米沢コレクションも「名機」しか展示出来ていません。
実は他にもロシアや中国製の珍カメラも多数寄贈されているらしいので、カメラマニアとしては早く本復旧してもらって全貌を拝みたいものです。
個人的見解ですが八街で発掘された物だけでなく米澤コレクションと言うカメラや昔の貨幣も沢山ケースに展示されています。
発掘された土器や貝殻も詳細に説明書きもあるのでこういう事に興味がある子どもにも良い資料館です。
敷地内に図書館もあります。
勉強には、もってこいです!
極小規模な施設ながらも、郷土の歴史を深く研究しようとする姿勢は高く評価できる。
追記立派な資料館の再建を願う。
2020年1月、昨年の台風15号の被害でまだ休館中です。開館は未定のようです。
追記この建物は取り壊しになるそうです。
追記22020年10月、更地になっていました。
来年度、隣の中央公民館内に復活するそうです。
子供たちと図書館に来たときに、ふらっと入り、ゆっくり見学しています。
入館料なし。
建物はプレハブで、一見して入りづらいかもしれませんが、展示物は興味深い物も多くあります。
とても面白いので、八街市はもっとPRしても良いのではないでしょうか。
名前 |
八街市郷土資料館 |
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ジャンル |
/ |
電話番号 |
043-443-1726 |
住所 |
|
関連サイト | |
評価 |
3.9 |
八街駅から徒歩で。
猛暑の中でしたが、日陰の多い道を歩けたのでわりと疲弊せずにたどり着けました。