青銅製では日本一と言われる高さ1.70mの「獅子と狛犬の像」は「神楽殿」正面両脇に従っているが、プールデル(1861年10月30日~1929年10月1日/ロダンの助手をつとめ後継者と目されたフランスの彫刻家)に師事し、戦後の具象彫刻をリードした一人と言われる「清水多嘉示(たかし)」(1987年7月27日~1981年5月5日/諏訪郡原村出身で「日本芸術院会員」「文化功労者」の彫刻家)による1960(昭和35)年制作の作品で、表面的な形式を追うに過ぎない「獅子と狛犬の像」が世に溢れる中、生命の躍動感あふれて気迫みなぎる別次元の「獅子と狛犬」だ。
その「獅子と狛犬」とは、神聖な場所を邪気から守る役割をもつという空想上の守護獣像で、向かって右の角がなく口を開いているのが「阿(あ)像」の「獅子」、左の角があって(角がなくなっているものも多い)口を閉じているのが「吽(うん)像」の「狛犬(こまいぬ)」(空想上の動物で「犬」ではない)だが、現在は「獅子と狛犬」という呼称が消えて、両者合わせて単に「狛犬」(「拒魔犬/こまいぬ」という魔除けのために置かれる像)という言い方が定着して来ている。
起源は古代オリエントの「スフィンクス」まで遡ると言い、ガンダーラ(パキスタン北西部ペシャーワル地方の古名)を経由して中国に入り、遣唐使が我国に持ち帰って、対の獅子像が平安時代までに「獅子と狛犬」という独自の「阿吽」形式(寺院山門の「仁王像」の影響が考えられるという)に変わったのではないかとも言われている。
なお、沖縄の伝説の獣「シーサー」は、災厄をもたらす悪霊を追い払う魔除けとされるが、「獅子」を沖縄語で発音したものだ。
名前 |
吽像(狛犬) |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
3.7 |
立派な狛犬。
紳楽殿前を守ります。