【建物と庭園が織り成す癒しの空間】敷地の手前側に葬祭場・玄関ホール、奥側に火葬炉を配置し、セレモニーの空間を回廊でつないだ平面形とした。
段階的に行われる儀式の中で、亡くなられた方が彼岸に向かってゆくことを意識させる構成となっており、自然を採り入れた空間とすることでお別れを迎えた人々の張り詰めた心を癒す。
そして人間も自然界に生まれ、滅びてゆく存在であることを再認識するときをもたらす。
2003年に竣工した防府市斎場「悠久苑」の庭は、現在、国内外で活躍されている枡野俊明(ますの・しゅんみょう)氏の作庭によるものです。
枡野氏は、曹洞宗徳雄山建功寺(横浜市鶴見区)の現職の住職でありながら、庭園デザイナー(日本造園設計代表)として、国内はもとより米国、中国をはじめ世界各国でも多くの庭を手がけられ、また多摩美術大学環境デザイン学科教授でもある、現代日本を代表する作庭家です。
庭園は五つあり、それぞれに意味合いが持たされています。
最も大きな「旅立ちの庭」、それに続くように「昇華の庭」、旅立ちの庭や昇華の庭から見えない位置に「鎮めの庭」、待合個室に続く回廊に「慈悲の庭」、待合ロビーから見える庭が「追憶の庭」があります。
圧巻なのはやはり「旅立ちの庭」です。
庭園と斎場をこれほど見事なコンセプトで纏め上げた例を知りません。
不謹慎の誹りを憚らずに申し上げるなら、直接的に死と向き合い本来忌避的な扱いを受ける斎場でありますが、芸術的に優れている点でもっと広く知ってもらうべきではないかと考えます。
名前 |
防府市斎場悠久苑 |
---|---|
ジャンル |
/ |
電話番号 |
0835-21-4900 |
住所 |
|
関連サイト |
http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/soshiki/15/saijyouyukyuen201804.html |
評価 |
4.4 |
きれいな斎場です。