2代泰親公の菩提のために創建した寺院。
境内に建つ「観音堂」は、室町時代後中期建立の重要文化財です。
室町時代の禅宗様らしく、反り上がった屋根が美しいお堂です。
鬱蒼とした木立の中を分け入るように車で入っていくと、少し開けた空間があり、シンプルな佇まいの信光明寺が建っている。
伊勢新九郎の焼き討ちにされて他の伽藍を失ったというが、そう聞くと失った伽藍にも歴史の息吹が感じられる気がするから不思議だ。最大の見所は室町時代の観音堂。
特有の大胆に反り返った屋根が印象的だ。
観音堂以外にも浄土宗の寺で、室町時代や南北朝時代の阿弥陀様もおられるそうだ。ご朱印にも快く対応頂いた。
山門と本堂のあいだにでぇ~んと幼稚園庭があるのは少し興醒めな気もするが、でも待機児童が社会問題化している事を考えれば、ある意味一番時代にあった土地の使い方なのかもしれない。
松平宗家3代信光公が初代親氏公、2代泰親公の菩提のために創建した寺院。
重要文化財の観音堂も見事ですが、山門、唐門、土塀、石垣など歴史を感じさせるものが沢山あります。
徒歩の入口はちょっとした森林浴です。
武士の時代のお墓があります。
保育園?幼稚園?が有り、園児が絡んで来た。
岡崎観光きらり百選№33
名前 |
信光明寺 |
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ジャンル |
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電話番号 |
0564-45-2100 |
住所 |
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評価 |
3.8 |
徳川氏勃興の礎を築いた松平信光公開基の寺院で、信光公の時代に建てられた観音堂が国の重要文化財に指定されています。
伊勢新九郎(北条早雲)の劫掠により観音堂以外の建物は失われたものの、後に徳川氏によって復興されています。
その後はまあ、多くの寺院とだいたい同じで、廃仏毀釈と農地開放でえらい目にあって現在に至ります。
あわせて幼稚園を経営しているあたり、地方の寺院あるあるな感じがします。
こちらの観音堂ですが、知名度こそ低いもののなかなかに興味深い建物です。
まず、現存する浄土宗寺院の堂塔としては最古の部類に属します。
総本山の知恩院をふくめ、歴史ある寺院であっても多くの建物は安土桃山時代以降の再建です。
次に、これっぽっちも浄土宗寺院らしくありません。
創建当時の観音堂は法堂と呼ばれていたのですが、これは禅宗風の呼称で、他の宗派では講堂と呼びます。
その頃の御本尊は釈迦如来で、これも禅宗のならいです。
そして建物も、反り返った屋根が特徴の禅宗様です。
後代に至るまで浄土宗の熱心な信徒であり続けた松平(徳川)氏の寺院で何ゆえ禅宗様の御堂が建てられたのか――なかなかに想像力をかきたてられますが、実のところ「なんかかっこいいから」以上の理由はなかったようです。
そして「なんかかっこいい」御堂であることは間違いありません。
マイナーながらも意外と見どころ豊富な岡崎近辺ゆえ一のおすすめとはなりませんが、合わせて岩津天満宮も参拝すれば十分に満足できます。
あと、寺伝にある伊勢新九郎の焼き討ちは信頼できる史書と矛盾しているので、武田信玄による三河攻めの戦禍に巻き込まれたとするのが通説のようです。