死んだ親父にたまに連れて来られた、親父の同級生の営...
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設備は古いけど、大将とお客さんの知識と経験、特にラグビーの話題は本格派です！
| 名前 |
花源 |
|---|---|
| ジャンル |
/ |
| 電話番号 |
0940-43-4474 |
| 住所 |
|
| 営業時間 |
[月火水木金土] 17:00～23:00 [日] 定休日 |
| 評価 |
4.5 |
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30年ほど前、まだ小学生の頃、死んだ親父にたまに連れて来られた、親父の同級生の営む焼き鳥屋。
その当時食べたブリブリ肉厚のエイヒレの味は今でも鮮烈に記憶に焼き付いていた。
それが食べたくて年の暮れに帰省した際に、年老いた母親と叔父と共に何十年ぶりに来店。
店内は全く変わっておらず、それが逆に得も言われない味わい深さと場末の影を色濃く醸し出していて、全身に哀愁を纏った御歳70にもなる店主が一人で切り盛りしていた。
「片脚棺桶に突っ込んでまだやってるよ。
あんたも老けたな。
」母親にそう言って、悪くなった足を大事にひきずりながら、店主が突き出しと瓶ビールを持ってくる。
突き出しはあの頃と同じ、この店定番の砂ずりの酢漬け。
それだけで涙が溢れそうなほどリアルに感じたノスタルジー。
お目当てのエイヒレはもう入荷していないそう。
相変わらず口数が少なく、もくもくと焼き鳥を焼いてくれた店主は、母親も僕も知らない話を最後にそっとしてくれた。
「あんたの死んだ親父のところは昔、豚を飼っていて、子供の頃はよく豚に乗って遊んでたよ。
」人の人生の儚さには、時に美しささえ孕んでいることを知った。