烏巣之森稲荷大明神は創建年代は定かではありませんが富士講や三峯講の碑文に刻まれた昭和初期よりも古いものです。
御祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)で元来は農耕神ですが、後に漁業神や産業神ともなっています。
烏巣之森の名称は新橋の烏森神社とは異なる関係です。
屋根にある兎の毛通しの懸魚(げぎょ)は才兵衛稲荷ではコウノトリですが、こちらは烏(カラス)が彫られています。
特徴的なのは手水鉢です。
宝篋印塔(ほうきょういんとう)の塔身部分には仏像が彫られる事もあり、明治政府による廃仏毀釈(はいぶつ_きしゃく)で廃棄されたものが、見立てつくばい(水鉢)として再利用されています。
この水鉢には四方に仏像が施され、風化度合いから江戸期以前のものと感じられます。
見立てつくばいは茶室でも人気で各地で見る事ができます。
宝篋印塔、五輪塔の流用では内部に遺骨が収められた例が少ない事から利用しやすい状況が出来ていたのです。
鳥居が明神形式で末社は浅間神社と三峯神社です。
名前 |
烏巣之森稲荷大明神 |
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ジャンル |
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住所 |
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評価 |
4.3 |
人がすれ違うのがやっとのような道幅の狭い民家の間を歩いていると、突然ぽっかりと少し広くなった空間が現れます。
その空間に鎮座する烏巣之森稲荷大明神。
真っ白な狐様が迎えてくれます。
社の横には浅間神社と三峰神社の碑もあります。
よく手入れされている感じがするので、地元の人に大切にされている神社なのかもしれません。
2016.05