旧遥拝所が復活したようです。
伊勢神宮の方向を指しており、ここから礼拝する。
この標石は伊勢大神宮の遥拝石といい、四天王寺四石(転法輪石、引導石、熊野権現礼拝石、伊勢神宮遥拝石)の一つである。
江戸時代には既に摂津名所図絵会にも天照大神遥拝所といふと記載されていることからも、人々はここに詣でて伊勢神宮を遥拝していたという。
元は此の場所から更に東、東大門の外にあったのを明治の初年、現在の地に移した。
四天王寺東大門から境内に入ると、道をさえぎるように石灯籠と遥拝石がある。
江戸期、伊勢神宮へのおかげ参りが、江戸から京都から上方からと、周期的に流行った。
道中、旅の無事を祈り、ここで手を合わせた人もいたであろう。
しかし当時、一般庶民の中には伊勢神宮に行きたくてもいけない人も沢山いた。
そんな彼らは、この遥拝石から、石灯籠の穴を通して、お伊勢さんの方角に向かい、手を合わせ拝んだに違いない。
それは今の世でも続いている。
知られざる日本人の、ささやかな伝統のひとつだろう。
名前 |
伊勢神宮遥拝石 |
---|---|
ジャンル |
|
住所 |
|
評価 |
4.0 |
伊勢神宮の第六十二回の式年遷宮(平成二十五年)の協賛事業として、旧遥拝所が復活したようです。